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最高裁判所第一小法廷 昭和25年(あ)1497号 決定 1950年11月30日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人毛利与一、同松井弘行上告趣意一点並びに同松井弘行、同成富俊夫、同御手洗文磨上告趣意二点について。

所論は、単に第一審判決が刑訴三一二条所定の罰条変更手続を履踐しないことを非難するに過ぎないから、明らかに刑訴四〇五条一号に該当しない。また、所論衣料品配給規則第五条又は指定生産資材割当規則第九条のごとき規定は、必ずしも刑訴二五六条第四項にいわゆる罪名(本件では臨時物資需給調整法違反)を明らかならしめるため記載すべき罰条には含まれないものと解するを相当とするから、裁判所が有罪判決における法令の適用を示すのに同三二条所定の罰条変更手続をとらなければならないものとはいえない。それ故、原判決の是認した第一審判決には、単なる訴訟法違反も認められないから、所論は採用できない。

弁護人毛利外一名上告趣意二点並びに弁護人松井外二名上告趣意一点について。

しかし、聴取書には供述拒否権のあることを告知をした旨の記載がないとの一事で(本件聴取書はいずれも昭和二三年六月二二日から同月二九日までの間に作成されたものであるから刑訴施行法四条一項但書により旧法及び応急措置法によって生じた効力を妨げない)その聴取書が任意性ないものといえないばかりでなく、この点に対する原判決の説示は、正当であって、これによれば却って任意性があるものと解せられる。されば、所論は当らない。

弁護人毛利与一外一名の上告趣意三点について。

所論は、量刑不当の主張であるから、明らかに刑訴四〇五条に当らないし、また、同四一一条の職権発動を為すべきものとも認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 齋藤悠輔 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 岩松三郎)

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